年収300万円でポルシェ911に乗っています。フジシマです。
これからポルシェ911の中古車を検討される方には996型を検討されている方も多いと思います。
ポルシェ996は911でありながらも、中古価格は低く抑えられています。
スタンダードモデルの「カレラ」であれば400万円以内でも手が届くので現実的な選択肢になると思います。
今回は近年人気上昇中の996について前期・後期の違いも踏まえて書いていきたいと思います。
- そもそも996カレラってどんなクルマ?
- 前期・後期のスペックの違いは?
- どっちがいいの?
と言った観点で書いていきますので、皆様のポルシェ911の中古車選びに役立てば嬉しいです。
996カレラ概要
996はポルシェ911シリーズの5代目として1997年から2004年まで販売されました。
前期型は1997年から2002年8月まで販売され、後期型は2002年8月から2004年まで販売されました。
911伝統の駆動方式であるRR(リアエンジンリアドライブ)は頑なに守りつつも、エンジン、ボディ、その他の箇所のほぼ全てを刷新・進化させてこれから迎える21世紀を見据えた性能を手に入れました。
大幅に進化した996カレラ
1番大きなトピックとしては、それまでポルシェ911の象徴のひとつとされてきた空冷エンジンが水冷エンジン化されたことです。
911伝統の空冷エンジンが水冷化された理由としては環境問題対策に対応させるためでした。
騒音規制や二酸化炭素排出規制をクリアしながら同時に3.4ℓエンジンへとダウンサイジングも行われました。
それにも関わらず自然吸気(NA)の911エンジンとしては初めて300馬力を達成しました。
1980年代に発売されていたポルシェ911のトップモデル、「930ターボ」が260〜300馬力くらいだったので「996」はその馬力をNAエンジンで超えることに成功してしまったわけです。
また、車体に関しても大幅な変更がされています。
新設計された車体によりボディの性能もサイズも現代に見合うものを手に入れました。
空気抵抗の大きさを示す係数のCd値は993の0.33から0.3へと大幅に向上しました。
ホイールベースも拡大され2350㎜となりました。
ボディ自体も「カレラ」は全長4,430㎜×全幅1,765㎜×全高1,305㎜と拡大されたものの993カレラ比で50㎏の軽量化を果たすと言う偉業を成し遂げました。
911は初代の発売以来「フルモデルチェンジ級のマイナーチェンジ」で車両を進化させてきました。
しかし、996でようやくエンジン・車体も含めて新設計となり、真の意味でのフルモデルチェンジがされました。
今日の911に通ずる技術がいくつも盛り込まれた革新的な911だったのです。
今の中古車価格の低迷っぷりからは想像できませんが。
つまりお買い得ということです。
先代の993と比べ996はよりパワフルで、より軽量で、より快適。
しかも環境にも優しい。
夢のようなクルマとして登場しました。
外観
見た目は歴代911シリーズの中で唯一、ヘッドライトに楕円形状のランプを採用していません。
「涙目」や「フライドエッグ(目玉焼き)」と呼ばれる独特な形状が採用されました。
また、ひと足早く販売が始まった初代ボクスターである986と共用化されたベッドライトとボンネット、フェンダー、シャシーなどを持っていました。
人気と役割
新車発売時には不人気な感じが否めませんでした。実際に販売台数にも現れています。
996は先代モデルの993よりは売れているのですが997が2割増の販売台数を記録しています。
それでも、986ボクスターと共用部分を多く持つ996が一定の販売台数を達成したおかげでポルシェは経営危機から脱し、現在の911シリーズへとバトンを繋ぎました。
996の次にバトンを渡された997前期との違いについてはこちら。
996前期型
996前期型は1997年から2002年8月まで生産されました。
柔らかく丸みをおびたヘッドライトを持ちます。
エンジンは水冷化されダウンサイジングされた3.4ℓ水平対向6気筒DOHCエンジンでした。
最高出力は300馬力@6800rpmで最大トルクは35.7㎏・m@4,600rpmと十分にパワフルです。
トランスミッションは6速MTとティプトロニックS(ステアリングでも変速できる5速AT)が選べました。
内装についてはグローブボックスがありません。
あとドリンクホルダーも無いです。
どちらも後期型には付いています。
996前期型を出すまでにこれくらいはつけておいてほしかったモンですが、、、
でも空冷時代のポルシェ911は「漢の乗り物」という感じだったのでその名残でついていなかったのかもしれませんね。
996後期型
2002年8月から2004年の996の生産終了まで販売されました。
後期型ではヘッドライトの形状が2001年に登場した「ターボ」と同一形状のものに変更されました。
トレッドが10㎜広がりフロントフェンダーが15㎜拡大しました。
また、ボディ全幅も5㎜拡大し1770㎜となりました。重量も前期型の1380㎏から1420㎏になりました。
エンジンは排気量が3.6ℓに拡大され最高出力も320馬力@6800rpmとなり最大トルクも37.6 ㎏・m(370 Nm)@4250rpmと前期型に比べて20馬力のパワーアップしています。
MTは増大したパワーに対応するためにアップグレードが施されています。
そのほかPSMが標準装備となりました。
まとめ:996前期型と後期型の違いは意外と少ないかも
排気量[cc] | 最高出力[ps]@[rpm] | 車重[kg] | 全長x全幅x全高[mm] | |
996前期 | 3387 | 300@6800 | 1380 | 4430x1765x1305 |
996後期 | 3596 | 320@6800 | 1420 | 4430x1770x1305 |
外見はヘッドランプの形状変更が一番大きいですね。
今思えばクラシカルな雰囲気で柔らかい印象の前期型ヘッドライトと後期型の角があるスポーティーなヘッドライト。
フロントバンパーも同様で後期型ではスポーティーな印象となりました。
エンジンは前期型が3.4ℓで300馬力で後期型が3.6ℓで320馬力なので税金などを気にしなければ後期型でいいでしょう。
グローブボックスが追加されたり、ドリンクホルダーも収納式の薄型の形状のものが追加されたりしました。
ポルシェなりに快適性を考えての変更のようですね。
これも機能だけで見れば後期型がよいでしょう。
これからポルシェ996が欲しい方は基本的には後期型を選ぶのがいいと思います。
ただし、前期型の見た目が好みの方や税金や購入価格を少しでも抑えたい方は前期型も選択肢としてもいいかもしれません。
前期型・後期型にかかわらずですがポルシェ911の購入を検討されるときはポルシェ専門のお店で相談に乗ってもらいましょう。
それが、安全な911を手に入れる方法です。
では。
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