年収300万円でポルシェ911に乗っているフジシマと申します。こんにちは。
今更ではありますがポルシェ911にしかない魅力について改めて考えてみたいと思います。
ポルシェ911の997後期型に乗り始めてから2年ほど経ちましたがその魅力は衰えることはありません。
しかし、乗り始めた頃に感じた感覚などは少し忘れてしまっているような気がします。
忘れる前に思い出して、その魅力をみなさんに紹介できればと思います。
エンジンの生命感
ポルシェ911のエンジンに関する思い出が少しあります。
学生のころのアルバイト中に1台の空冷ポルシェがやってきました。
オーナーが用事を済ませ、エンジンを再始動すると爆音も爆音。
それも聞いたことないような音で、メカメカしい音というか、色んなパーツが機械仕掛けで動いているような音でアイドリングをしていました。
もう「ズドドドドド」って感じで何が起きたのか分かりませんでしたけどとにかくびっくりでした。
びっくりだったのですが今のクルマ、ポルシェ以外のクルマにはない動物的で生きているかのような音に感じたことを覚えています。
時は流れて私も水冷エンジンのポルシェに乗るようになりました。
空冷ポルシェに比べたら20年は新しいし流石に普通のクルマのようになっているだろうと思ってました。
でも違いました。
水冷ポルシェも空冷ポルシェの頃のようなエンジンの鼓動や躍動感を感じました。
アイドリング音があいかわらず大きいこと。
それでも空冷エンジンのころよりは落ち着いているのかもしれませんが。
発する音がマフラーを変えた車の排気音のうわべだけの音ではなくて、エンジンそのものが鳴らしている音が大きいのです。
よく言われるメカニカルノイズというやつでしょうか。
アイドリング音は未だに聞くたびに魅力に感じます。
ポルシェ911を買って良かったなぁと1番思えるのはもしかしたらエンジンを始動させる瞬間かもしれません。
そして音だけではなく振動も大きいです。
アイドリングしている時が1番エンジンの振動を感じます。
他のクルマであれば振動を抑え込もうとするでしょう。
でもポルシェはそれを隠そうとはしません。
普通のクルマではただの不快な振動でもポルシェ911では心地よく感じたり、生命力を感じるたりするのです。
まるで生き物のようなエンジンはポルシェ911の大きな魅力であると感じます。
リアエンジンの特別感
リアエンジン(RR)は911にしか無い魅力です。
ミドシップエンジンのクルマよりもさらに後方にエンジンを積むレイアウトです。
総合的に見て利点はほぼ無いと言えるレイアウトですが、先述の「生き物」のようなエンジンとも相まってそれはむしろ911の強烈な個性のひとつになっています。
利点としてはブレーキングで後輪ブレーキを有効に使えたり(=ブレーキ性能が良い)、2輪駆動モデルでもトラクションが良かったりすることです。
しかし、そういう利点はあるもののほとんどのオーナーが大切にしているのは絶対的な性能ではなく走って楽しいかです。
911のリアエンジンは走りの楽しさにもつながっています。
特別な感じがします。なんかふわっとした感想ですが笑
一般的にRRは気難しい挙動になりがちなため運転が難しそうなクルマを操っている感じがします。
実際には運転が難しいなんてことは無いです。
日常の速度域でリアエンジン感じることといえば若干ノーズが軽いかな?というくらいです。
フロントのタイヤをつぶして曲がっている感じがありません。
決して軽いクルマではないですが程よく軽快です。
でも、制限速度の範囲内であればそういうある意味での「軽快」な感じというのは運転の楽しさにつながると思います。
日本の公道で出していい速度でRR特有の挙動を起こすのは難しいです。
リアエンジンを感じる機会は中々訪れないものですが、それでもそういう特別なものに乗っているのを感じさせるのは911のリアエンジンだけだと思います。
そういうことで満足する人がいてもいいと思います。
スポーツカーにしては快適
これはポルシェ911を評価する時によく言われる言葉かと思います。
私自身も実際に初めに乗ってみた時は乗り心地の良さを感じました。
いろいろな場面・速度域での乗り心地を突き詰めていくと不満もありますが、345馬力のパワーを支える脚を持つクルマとしてはおおむね満足な乗り心地と言えます。
それでも一般的に言われるような「いい乗り心地」よりは劣るので注意が必要ですが。
騒音の面でも元々空力の良いクーペボディの911は風切り音が少なめです。
タイヤが太かったり、ハイグリップだったりするのでタイヤからのロードノイズは大きめですが、滑らかな路面になるとそれらはなりを潜め、束の間の静かな車内空間が広がります。
エンジンの音だけは聞こえ続けるのでなんだか不思議な空間にいる感じがします。
もうひとつ、快適性を感じたのはダッシュボードの高さが低いことでした。
これは設計が古い997世代くらいまでの話かもしれません。
ダッシュボードが低いおかげで視界が開けていて、車両のボンネットの長さを把握しやすいです。
最近の車はダッシュボードが高くてノーズの長さが把握しづらいことが多いのですが911は初めて乗った時からすんなり運転できました。
そのため、スポーツカーというカテゴリーとは裏腹に911は非常に運転しやすく長距離運転で初めて行くような土地でも自分の手足のように運転できます。
997はシートを最も低いポジションにすると競技用のバケットシート並みに着座位置を低くすることができるのですがそんな状況でも低いダッシュボードのおかげで十分な視界が確保できています。
日常的にも使えなくは無い
ポルシェは日常的にも使えるスポーツカーの代表格です。
その主な理由は前述の「スポーツカーにしては快適」という点ももちろんありますし、さらにそれに加えて2+2方式のシートレイアウトからなる居住性の良さが挙げられます。
一級のスポーツカーともなればクローズドなクーペボディでも完全2シーターである車も少なくない中、ポルシェ911はその登場以来2+2方式を採用してきました。
それはリアエンジンの独特なレイアウトが可能にしたものです。
セダンやハッチバックほどは広くはありませんが大人2人が乗ってももちろん快適ですし、程よく包まれ感のある居住空間により居心地も悪くはありません。
フロントのトランクも含めて荷物もそれなりに乗せられます。
ポルシェ911はさまざまな手法を用いてリアエンジンのマイナス要素は消しつつ、スポーツカーとしての性能と居住性を両立させてきており、日常的な使用にも耐えつつも非日常的な性能を兼ね備えたクルマになっています。
居住性や快適性を犠牲にすればもっと素晴らしいスポーツカーが作れるのでしょうが、911の基本である「カレラ」に関してはどこでも使える高性能車と言うことに念頭をおいて作られていると言えます。
速い
はい。これ重要。
公道では全く関係がないことですが大きな魅力です。
スポーツカーとしての地位を保つにはやはり速さは大切ですよね。
ポルシェ911は馬力にして345馬力(997後期型カレラ)と意外と控えめな数字でありつつも、決して少ないとは言わせないパワー感を持っています。
このパワー感はリアエンジンと比較的軽い車体によってもたらされています。
アクセルを踏み込める機会を得たので踏み込んでみたらあっという間に200km/hにまで到達しました。
200km/hに到達するまでの間も加速感は衰えることなく続いていました。
もっと踏んでいてもヨユーで250km/hまで到達し、やがては公称最高速まで到達してしまうのでしょうね。
また、911はコーナリングもそれなりに頑張っている車です。
リアエンジンにはスポーツ走行時においての扱いにくさはあるもののそのハンデを跳ね除けて60年以上もの間スポーツカーの象徴的地位を守り続けてきました。
ポルシェ911も996型あたりになれば大分RRの危うさを払拭したモデルとされているので純粋にRRの速さと楽しさにフォーカスした運転をすることができます。
一生のうちに911の全ての性能を引き出すことはなくてもそれを予感させる雰囲気が味わえるのが魅力の一つです。
まとめ:ポルシェの魅力はリアエンジンから生み出される、と私は思う
今回はポルシェ911の魅力についてそのオーナーが改めて考えてみました。
ほかにパッと思いつくだけでも
- 市場価値がある
- パーツの供給がある
- 1960年代から「911」という名前で売られ続けてきた歴史
- 911乗りのコミュニティ
などなど、様々な魅力があるのですが記事が長くなりすぎそうな予感がするので今回ここまでにします。
ポルシェ911は多くの魅力があることがお分かりいただけたと思いますが、その魅力はどこから来るのでしょうか。
やはりそれはリアエンジンがもたらしていると私は考えます。
そこから生まれる性能面の利点、使いやすさの利点、個性が間違いなくあります。
スポーツカーとして一流で、普段使いもできて、でもちょっとクセがある。
つまり、完璧なんだけど、ちょっと個性もある。
人も同じで完璧な人はとっつきにくくてもちょっとした個性があれば親しみを感じますよね。
ポルシェ911もそういう車なんだと思います。
見た目も丸い目をしていてかわいいですしね笑
そういういろいろな要素を高次元で融合させたのがポルシェ911の魅力だと思います。
ポルシェという企業のたゆまぬ努力が感じ取れるますね。
今回はこの辺で。
では。
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