フジシマです。ポルシェ997後期型に年収300万円で乗っています。
最近997後期型の人気が高まっているように感じます。
何か明確なデータがあるわけではないですが。
Xを見ていると997後期型を納車されている方をちらほら見かけます。
996や997前期の相場の上昇傾向なのでそれらの世代の911と価格差が縮まったことで997後期型も選択肢の一つになっているようです。
私も997後期型に乗っていますがどんな全体的にどんな特徴がある車かを記事にしていませんでした。
997前期型からどのように変わったのかと言う視点で今更ですが書いてみたいと思います。
実は同じ997といえども、前期と後期では大きな違いがあるのです。
この記事では
- 997の概要
- 997前期型と後期型の違い
- どっちがいいの?
という点について書きます。
変更点については全てを細かく網羅できていない点もありますが大体主なものは記載しておきます。
ポルシェ997の概要
ポルシェ911の997型はそれまでの996型に代わる形で登場しました。
2004年から2011年まで製造されていました。
997型では内外装の変更、新しいオプションの追加、カレラSの追加と総合的な商品力向上に重きが置かれました。
一方で走りのコンポーネントは996からのキャリーオーバー的な側面強く、996後期型と997前期型それぞれのカレラのスペックだけを見るとそれほどの差は見受けられませんでした。
しかし、2009年に登場する後期型では中身についても大幅な変更が加えられました。
変更点については後述します。
997後期型の中古車を探すときはこの年式が一つの目安となりますね。
997後期型カレラの相場
2024年4月現在の相場です。
997後期型カレラにはPDKとMTモデルがありますがPDKは600万円〜、MTは無限大万円です。
無限大万円は冗談ですが大体800〜900万円はすると思います。
MTは全然ないのでカーセンサーとかに出る前に業者オークションで引っ張ってきたり、下取りで入ってきたものをショップの常連の間で取引されていると思います。
900万円でも新車価格よりは安いですからね。
ピュアなMTに乗るなら依然としてお買い得なのだと思います。
PDKモデルでも600万円〜となってくるので決して安くはないですがそれだけの価値はあるクルマと言えます。
新車の半額と考えればだいぶお買い得感はあります。
そして、一つ前の世代の996の相場が上昇傾向にあります。
996と997の相場が逆転することはないと思われるので997前期型や後期型もまもなく上昇する局面にあると思います。
とはいうものの私の997後期型も今とあまり相場感が変わらないときにショップ経由で550万円ほどで購入できたので大手中古車サイトなどに掲載されていない個体ではそういうものもあるかもしれません。
変わった点:外見
○フロントバンパー・灯火類形状
形状が変わりました。
バンパーの左右に振り分けられた開口部が大きくなり、人間でいう口角があがったような形状になりました。
灯火類は前期では開口部の上に髭のように横長のウインカーとポジションランプがありましたが、後期型ではバンパーの開口部の延長にあるようなランプになりました。
全体的にスッキリした印象。
○テールランプ・リアバンパー形状
リアのランプも形状が変わり、よりボディサイドに伸びるランプはシャープな形状になりました。
それに合わせた方にのバンパーに形状が変更されています。
そしてテールライト、前後左右のウインカーがLEDになりました。
このおかげで結構近代的な見た目になっていると思います。
○サイドミラー形状
前期の形状を踏襲しつつもマウントが上下方向に大きくなったようです。
前期でも十分に視認性は良かったとのことですがなぜ変更されたのかは謎です。
前期はシャープな印象ですが後期は抑揚のある印象です。
変わった点:エンジン
ここが1番大きな要素かも知れません。
完全新設計の水冷エンジンになりました。
直噴化され、バリオカムプラスを用い、パワーと燃費性能の向上を同時に果たしました。
カレラなので排気量こそ約3.6Lで前期と後期でほぼ同じものの、パワーは前期325馬力から後期345馬力とカタログ上20馬力アップしています。
パーツ点数の40%削減、エンジン重量5Kgダウンなど改良点は数知れず。
さらにマニアックなところで言うとエンジン剛性の22%向上、前期のオープンデッキ構造から後期はクローズドデッキ構造になるなど前期と同じところがまるでないエンジンとなりました。
前期では確率は低いものの懸念点であった「インタミ問題」、「6番シリンダー問題」などは解決されました。
発生確率は低いものの起きてしまうと経済的に大打撃を受けてしまうのでこれらの事象が起こらなくなったことで心理的に安心して乗ることができるのは大きいと思います。
変わった点:オートマチックトランスミッション
これも大きい変更点です。
前期のティプトロニックから後期ではPDKに変わりました。
つまりトルコンATからDCTに変わりました。
DCTはクラッチをコンピューターが制御するMTのようなもので一つのミッションの中で二つのクラッチを使っているのが特徴で、素早いシフトとダイレクトなエンジンレスポンスを可能としました。
ティプトロニックでは5速だったものがPDKの採用により一気に7速になり、スポーツ性能と巡航性能の向上がされました。
発売当時からPDKは好評でティプトロニックでMTを選んでいたユーザーがPDKには乗り換えたと言われています。
そのためMTの生産割合の減少に拍車がかかったとも言われています。
筆者によるPDKの感想を知りたい方はこちら↓
変わった点:内装
○ステアリングの変速ボタン
後期型でステアリングの変速スイッチの形状が変更されました。
操作はしやすくなったと思いますが、見た目や操作感に高級感みたいなものはあまりないです。
○コンソールのスイッチ類
基本的な形や配置は変わっていませんがエアコン周りのスイッチの色味がブラックになりました。
素材も変更され経年劣化でベタベタしないように変更されました。
○エンジン音
エンジンが完全新設定になったものの水平対抗6気筒の911らしいエンジン音はそのままです。
しかし、前期型よりも後期型の方が静かになったという意見が多くあります。
前期型に乗っている人からすれば不満な点なのかもしれませんが、正直ポルシェやスポーツカーそのものが初めての場合は後期型でもうるさく感じるので十分に存在感を感じるエンジンとなっています。
オプションでPSE(ポルシェスポーツエキゾースト)もあるので音量で満足できないことはほとんどの方はないと思います。
PSEは「少し」静かなモードとうるさいモードが選べるオプションです。
まとめ:997前期型と後期型は別の車
これまでの情報をまとめます。
- 997前期型は2004~2008年製造
- 997後期型は2009~2011年製造
- エンジン20馬力アップ
- 7速PDK搭載で電撃シフト、エンジンレスポンスアップ、巡航性能アップ
- インタミ問題、6番シリンダー問題は起こらない
997前期が登場したときに近代的なオプションが増えて日常的に使えるスポーツカーと言う側面は強化されたものの走りに直結する部分では996とほぼ変更がないと言えたかもしれません。
その反面、後期型では内外装の変更もさることながら、エンジンもトランスミッションも全く新設計のものに変更されています。
もはや別の車と言えます。
パワーとレスポンスがアップしていて燃費も少し良くなっている。しかも前期型のトラブルが解消されている。
後期型では前期型に比べて全方向的に良くなっているといえます。
同じ型式なのにメカニズム的には1世代進んでいます。
最新のポルシェが最良のポルシェというのが常ではありますが997前期型・後期型の差はなかなかに大きいのです。
予算に少し余裕がある方は997後期型を狙っていただくとより安心して長く乗れるかなと思います。
購入する際にはポルシェが得意なショップで買われることをお忘れなく。
では。
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