こんにちは。ポルシェ911に乗っているフジシマです。前回の投稿から随分空いてしまいました。
最近、スマホ(iPhone)を使ってポルシェの車載映像を撮影することを始めました。YouTubeで車載映像を観ると、多くの方が一眼レフを使っているようですが、私の持っている中古の一眼レフカメラでは様々な課題が生じました。
新しい一眼レフを買えば問題は解決しますが、長く続けるかもわからないことに何十万円も使えないので、手持ちのiPhoneを使って、できるだけ低コストで撮影することにしました。
- 車内での撮影
- iPhoneを使用
- 窓を開けて外の音も撮りたい!
という条件での情報はあまりありませんでしたが、いろいろ試行錯誤して現在の装備にたどり着きました。同じように悩んでいる方やこれからスマホでお手軽に車載動画撮影をしたい方は、このブログ記事を参考にしてみてくださいね。
一番悩んだのはiPhoneに合うマイク選びでした。
スマホでの車載動画撮影に必要なもの
スマホでの撮影に必要なものは以下のものです。
最低限、スマホとスマホを固定するものがあれば撮影できますが私が使っているものは以下になります。
- スマホ
- スマホ固定関連
- サクションマウント
- 360度ジョイント
- クランプ
- マイク関連(あれば便利)
- 外部マイク
- 3極出力→4極変換ケーブル
- 4極出力→Lightning変換ケーブル(Lightning iPhoneの場合)
- 4極出力→Type-C変換ケーブル(USB Type-Cスマホの場合)
- 延長ケーブル(あれば便利)
- スマホ冷却装置(あれば便利)
サクションマウント
車内を映さない構図にしたかったのでフロントガラスにサクション(吸盤)マウントで固定することにしました。
私が使っているマウントはこれです。
便利な360°ジョイントがついたセットですが、私は知らずにセットではないも商品を買ってしまいました。
非常にコンパクトな吸盤のため、使う前は長時間の使用に耐えられるのか心配しましたが、スマホ程度の重量なら余裕でした。
吸盤が小さくアームが短いので取り回しが楽です。
一眼レフを固定する予定のある方はスマホ用とは別に分けるか、吸盤が大きいものを検討した方が良いです。
ブレの防止や、吸着力を高めるためにサクションが2つ以上のものを使うことが推奨されています。
カメラは本体の他にレンズもあるので重量もさることながら重心の位置も固定場所から離れるため条件が厳しいのです。
360度ジョイント(自由雲台)とクランプ
これらに関しては使えりゃいいです。
360度ジョイント(自由雲台と言うらしい)はサクションマウントに、クランプは今回紹介するマイクのモバイルキットというセットを買うとそれぞれついてくるのでわざわざ別で購入する必要はありません。
私はセットを買う前に別々に買ってしまっていたので持っているものを紹介しておきます。
自由雲台
スマホクランプ
外部マイク
iPhoneでマトモに使えるものを見つけるのにだいぶ苦労しました。最終的に選んだのはゼンハイザー(Sennheiser)のMKE200です。スマホの上にマウントできるくらいの小型のガンマイクです。ドイツの音響機器メーカーです。
説明が長くなるので後に記載してます。
車載映像の音声収録にマイクを使いたい理由
マイクで録音すると音質の向上は見込めます。
映像作りにおいては音は確かに重要なのですが、自動車の車載映像に関してはiphoneで十分な音が収録できると思います。
ではなぜわざわざマイクを使って収録をしたいのか。
窓を開けてエンジン音を撮影しようとすると不快な風切り音が発生しますのでそれを抑えるためなのが一つ。
そして、同乗者と会話などをして移動している際に、マイクが遠くにあれば余計な会話が収録されない・編集で消しやすくなるというのが二つ目です。
ネット上では会話を気にせずに録音したいという理由でマイクを別に設置する人の事例は見つからなかったものの、遠出した際についでに車載映像の録画をしたいと考える潜在的な需要があるのではないかと思っています。
ケーブル類
最低限必要なマイクケーブルは以下になります。
- 3極出力→4極変換ケーブル
- 4極出力→Lightning変換ケーブル(Lightning iPhoneの場合)
3極出力→4極変換ケーブルはスマホに必要なケーブルでざっくりいうと、スマホ用の入力に対応させるために必要です。マイクは3極での出力ですがスマホはヘッドセット(マイクつきイヤホンなど)も想定しているので4極での入力を要求します。それに合わせるためのケーブルです。前述のゼンハイザーMKE200のモバイルキットを購入するとこのケーブルは付いてくるので買う必要はありません。
4極出力→Lightning(USB Type-C)変換ケーブルはイヤホンジャックが消えつつあるスマホに必須です。LightningやType-C端子を変換してイヤホン端子をスマホに挿せるようにしてくれます。想像しやすいですね。
これはApple純正やサードパーティー製のものがあります。純正は断線しやすく定期的に買い替えるのも嫌なので私はUGREENのL字型の変換ケーブルを使っています。
このほかに延長ケーブルを使うと車外や車内後方にマイクを搭載することができます。
スマホ冷却装置
適切な冷却はスマホの熱暴走を防ぎ、バッテリー寿命を保ちます。外部マイクを使うとファン系の冷却器の騒音を気にせずに使えます。
私は金属フィンタイプの放熱板をスマホと一緒にクランプに挟んで使ってます(本来は貼り付けて使います)。
多少は放熱している気がしますが、夏場は最終的に熱暴走により撮影が終了してしまうこともあるので、ファンタイプの少し強力な冷却装置の導入も考えています。
MKE200について
本体価格が1万円弱と超激安ではないもののそれでも比較的安い部類ではあるそうです(初心者には1万円もまぁまぁ高いですが)。
MKE200にはモバイルキットというセット(12,000円くらい)がありマイク本体に加え、
- 通常マイクケーブル
- スマホ向け変換ケーブル
- ウインドジャマー
- ポーチ
- マンフロット製ミニ三脚(スマホ三脚)
- スマートフォンクランプ
がついてきます。モバイルキットというだけあって欲しいものが揃っています。
クランプはすでに別で数百円程度のものを買ってしまっていたのですがモバイルキットのクランプはロック機構がついており、挟み込んだ後にクランプが広がらないようにできます。質感やしっかり感もこちらの方が上なので2000円程度の追加費用でこれを含んだセットがついてくるのでかなりお得に感じてしまいました。
選んだ理由
- 価格がめちゃくちゃ高いわけではない。
それでもモバイルキットは一万円を超えてしまいますが。 - 風に強い。
マイクが金属の格子で覆われており、そのままでもウインドジャマーの役割を果たしてくれています。さらにモバイルキットにはウインドジャマーもついてくるので絶対に風切り音を許さないという強い意志を感じます。 - スマホ用ケーブルが用意されている。
iPhoneへの接続は結構大変で、場合によってはケーブルが3種類くらい必要です。相性が悪かったりすると理論上は使えるはずなのに何故か使えない!みたいなことも起きるので初心者が一から集めるのは結構リスキーです。
私も一から集めてみましたが、マイクとiPhone自体の相性もありうまくつながらず、どこに原因があるのかがわからないまま放置しています。要するにうまく収録できない原因が多すぎるわけです。
その点、モバイルキットにはマイク本体からスマホまでのケーブルが含まれているので、iPhoneの場合はLightning端子なり、USB-Type-Cになり変換するキットを別に用意すればOKです。
もし聞こえなくても、自身で用意した端子がほぼ悪いことになるので収録できない原因を特定しやすいです。 - ガンマイクにしては小さい。一応指向性もある。
このガンマイクは小さいです。ラベリアマイクよりは当然大きいのですがそれでも小さく軽いので指向性のあるガンマイクでありながらも車内の置き場所にはそれほど困ることはありません。ただ、小さいので本来のガンマイクに期待されるガッツリとした指向性は期待しない方がいいかもしれません。
MKE200の弱点
- 使用条件によってハムノイズが発生する
使用法によっては静かな環境なのにブーンという音が収録されてしまいます。
致命的にも思えますがある程度原因はわかっています。
一番の原因となる使用条件は交流電源に録画機器を繋いでの撮影をすることです。
つまり、スマホにコンセント給電しながらのような撮影はノイズが入ることになります。
直流電源はOKなのでモバイルバッテリー給電ではノイスが発生しない(らしい)です。 - 全体的に音が軽い
- 有線なので延長ケーブル使用時に取り回しが大変
ほかに気になったエントリー向けマイク
MKE200を買うときや買った後に気になったマイクです。
使い始めて間もないMKE200ですがこのMKE200でも問題が発生したらそちらにしようかと考えています。
1万円以内くらいでそこそこ使えて尚且つ致命的で不可避な不具合のあるマイク選びって初心者には結構難しいです。世の中で販売されているマイクが数めちゃくちゃ多いのでそこから予算・用途に合ったものを見つけ出すのは結構難しいです。
そんな中から私がYouTubeを見まくっていいなと感じたマイクは以下です。
RODE VideoMicro
MKE200よりも音が良く、少し大きめ。ガンマイクなので環境音にも向いているはず。高いですがもっと予算が出せる人は2にしましょう。全方位的に良くなっているらしいですよ。
DJI Mic mini
ワイヤレスラベリアマイク。1万円は軽く超えてしまうのでちょっと高く感じるかも。いろんなところにクリップやマグネットでくっつけて収録できる。エンジンルームの設置なども容易そうで音も良さそう。
マイクの選び方について一言
ラベリアマイク | ガンマイク | |
---|---|---|
使用目的 | オールマイティー | 環境音もOK |
最低価格帯 | 2000円〜 | 4000円〜 |
指向性 | 無指向性のものが多い | 指向性があるものが多い |
基本的にオールマイティーなのはラベリアマイク(ピンマイク)で、環境音を録ることがあるのならガンマイクでもいいと思います。
似たようなマイクが、似た値段で、有線・無線を選べるのであれば無線マイクが楽チンでおすすめです。ガンマイクでは無線を見たことありませんが…。
安物のワイヤレスマイクでも遅延は気にならなかったです。
車載映像を撮りたい方は安定的に走行音あるいはエンジン音を録ることが大事なのでとにかく防風性能に長けているものを選んだ方がいいと思います。
実際の性能はモトブロガーの方々の動画を参考にしました。
初めてマイク選びは紆余曲折
ここは余談です。マイク選び失敗の歴史です。
MKE200を買う前に2つのマイクを買いましたがそれぞれ別の要因で撮影に使うことはできませんでした。使えないマイクが続いたので心が折れそうでした。
まず初めに買ったのはオーディオテクニカAT9904モノラルマイクロフォンです。
収録はできていましたがなぜかiphoneの撮影ではボツボツと音声が途切れてしまいました。風の影響ではない上、PCでは普通に使える、接続しているケーブル類を変えてもiphoneではボツボツ鳴ってしまい、使い物になりませんでした。PCでは普通に使えることを考えるとiphoneとは相性が良くないのだという結論に至りました。発売年が10年以上前なことも相性の悪さにつながっていそうです。
終いにはiPhone接続の場合は完全に音が聞こえなくなって終了しました。
次に買ったどこかの2500円くらいのワイヤレスマイク。iphone側に受信機を取り付け、送信機になっているマイクからの音を受け取ります。配線の類は一切ないのはもちろん、bluetoothのペアリングも必要ありません。これが一番設置が楽でした。それほど大きくないのでエンジンルームやリアバンパーなどに設置もできそうです。とにかく楽で自由度が高い。
自分の声がよく聞き取れるのでこれは期待できるマイクと思い車内に設置しました。しかし、この機種にはノイズキャンセル機能がついていて、走行音はすべてノイズとして処理され、ほぼ聞こえなくなってしまいました。エンジンルームに設置してもエンジン始動時以外はほぼ無音となってしまい、走行音を取るという目的では全く使いものになりませんでした。ノイズキャンセルには気をつけろ!!!
まとめ:【スマホで】ポルシェの車載動画撮影をしたい
長々と書きましたが、スマホで車載動画を撮影したいと思った時には色々と考慮しなくてはならないことがあります。大きく項目で分けると、スマホ固定器具(マウント)を選び、スマホ対応のマイクを選ぶという2ステップが必要でした。
マウントは選択肢はありますが悩まなくても十分なものが手に入ります。
マイクは沼で、価格・性能もさることながら、そもそもスマホとの相性が悪いものもあるという落とし穴があります。このせいで動画撮影に必要な装備についてブログを書いたつもりなのにマイクについての内容がかなり多くなってしまいました。
ですが、今回私が紹介したものを使えばほぼ間違いなくスマホで録画することが出来ます。
夏頃から悩んでいたものの、もう冬になってしまいました。皆様にはこんなに時間をかけて悩んで欲しくありません。
ひとまず撮影できるセット教えてくれ!という方の参考になれば幸いです。
では。
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